直感力=記憶力×想像力

できる人の直感力―あなたの潜在能力が目覚める30のメソッド
  • 発売元: ビジネス社
  • 価格: ¥ 1,365
  • 発売日: 2008/04

できる人の直感力―あなたの潜在能力が目覚める30のメソッドを読み終わりました。約1時間。

「直感」というとどうしても、「よく考えもせずにする安易な判断」と受け止める人も少なくありません。しかし、いわゆる「安易な判断」と「直感的判断」には大きな違いがあるのです。直感的な判断について、「後から振り返ってみれば」、それなりに論理的な説明もできることが多いのです。しかし、直感がまずひらめいたときには、その説明ができません。直感的判断は、脳内では論理的判断よりも高速なルートで処理されアウトプットされるものです。だから、「後からなら論理的にも説明できる」のが当然なのです。

表紙の裏に書いてある文章の引用ですが、この文が本書の内容をよくあらわしていると思います。「直感」という突然なにかがひらめいたりするような、ある種、神秘的な感じを受けますが、本書で説明されている「直観」はそういったものではありません。むしろ、もっと論理的な内容です。本文中でも「直観力の反対語は論理力ではない」と述べられています。「知識や論理は直観的に判断するための補助線のようなもの」とのことです。つまり、本書で述べられている「直感力」とは知識や経験の積み重ねによって得られる、判断するための知覚力ということです。

本書ではこの「直感力」を鍛えるための30の方法が紹介されているのですが、特に興味深かったのは、第5章に書かれている「自動的な判断基準に頼らない」というもの。要するにセオリーや常識といったものですが、これらに頼るのは自分で判断する必要がないので非常に楽な反面、直感力はまったく鍛えられません。むしろ、セオリーなどを疑って、「本当にそうなのか」と自分で考えることこそが直感力を鍛えることになるとのことです。

本書ではほかにも具体的な事例をあげて直感について説明されており、いままでなんとなく論理的とはかけ離れたところにあるように感じていた「直感」について知ることができました。短い時間でさらっと読める内容なので、読んで損はなかったと思います。

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