難題の数々を要領よく片付ける技術

問題解決力を読み終わりました。約1時間。

一言でいうと、論理的思考によって問題解決を考えましょうという内容です。

人間はせっかちですから、期待に沿わない現状があると即座にそのギャップを埋めたくなります。すると、「あるべき状況を実現せよ」というメッセージそのものを解決策として指示・提示します。私が何を書いているのか、よくわからないと思います。そうです。世の中には、よくわからない解決策が多いのです。

ということで、よくわからない解決指示の例として以下のものをあげています。

-クラスの仲が悪い→みんな仲よくしなさい
-売上高が伸び悩んでいる→もっと売りなさい
-社員の残業が多い→残業を減らしなさい
-失点が多く負けがこむ→勝ちなさい
-企画が足りない→企画を出しなさい
-学校の成績が上がらない→勉強しなさい

いずれもありがちなモノばかり。

これ以外にも各章の冒頭などでわかりやすく、(少なくとも社会人なら)身近に感じる事例をあげて、その考え方のどこに問題があるのか、どう考えればいいのかを説いていくという構成になっています。

そして、問題解決の為の思考の道具(ツール)として以下の15項目を挙げています。

+問題の課題化
+分離・分解
+優先順位
+判断基準
+分析課題
+情報収集
+原因の検証
+対策
+決定事項
+選択肢
+マイナス要因
+重大領域
+具体的な問題現象
+予防対策
+発生時対策

これら一つ一つに対して先のような簡単な事例をあげているので、割とかた苦しい内容のはずなのですが、すんなりと理解できるような気がしました。

また、「知性の知識化による弊害」という段落では下記のように書かれています。

貪欲に知識を蓄えよう、情報を収集しようとする人を努力家と見れば、頭を使って考え抜く面でも手を抜かないだろうと推測できるかもしれません。ところが周囲を見回すと、知識が蓄積されていくことだけで満足してしまっている人が多いように思えます。
(中略)
思考の道具のひとつ、「情報収集」でご説明したように、情報そのものは価値を生み出しません。問題に直面したり、意思決定の場にあって「答え」が思い浮かんだとしても、「これは他人の頭で考えたものではないのか」「過去の成功例に寄りかかっていないのか」と自問する強い意志をもって、知性の知識化という罠にはまらないようにしたいものです。

知識を蓄えるのは悪いことではないが、それだけに頼ってもダメ。集めた知識を活かすために、論理思考で知性(知恵)を磨きましょうということだと思います。

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