小さなnanoSIMをめぐる熱い戦い

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非常に小さなものをめぐって、激しい戦いが繰り広げられているようです。

昨年11月に、Giesecke & Devrient(G&D)がmicroSIMよりも小さなnanoSIMを発表しAplleがiPhone5に採用するかもしれない、というニュースがありました。このニュースでは、G&DのnanoSIMが欧州電気通信標準化機構(ETSI)を通して標準化される見通しとのことでしたが、どうやらそんなにすんなりは行っていないようです。

Apple(とG&D)の仕様に反対しているのは、Nokia、Motorola、RIMの連合。こちらの陣営でもApple方式とは別のnanoSIM仕様をETSIに提出し、来週にもどちらの案を採用するか投票で決定されるとのこと。この投票については、ETSIに加盟する企業の売上高などに応じて投票権数が決まっており、Appleは少しでも多くの投票権を得るために欧州の子会社6社をETSIに加盟させたとのことです。これによりApple陣営は最大で92票の投票権を持つことになり、最大の投票数を持つNokiaに対してダメージを与えられると考えられているようです。

NokiaはAppleの提出している仕様について、「トレーが必要でありコストが増える」、「誤挿入で端末内にSIMが残ってしまう可能性がある」として批判しています。nanoSIMに期待されているのは端末の小型化を含む実装面積の縮小のはずなので、トレーが必要な構造というのはNokiaの指摘どおり、これらに相反している気がします。AppleにしてみればiPhone5を見据えた仕様なので、他の端末のことなどお構いなしなのかもしれませんが……。

どちらが勝つのかはわかりませんが、結果によっては今後の端末ではSIM抜きようのピンが必須、なんてことになってしまうのかもしれません。

※Nokiaの投票権数がわかりませんが、Appleの関連子会社の売上が80億ユーロで45票。Appleが47票。Appleの売上が120億ドル(90億ユーロ)程度のだと思うので、売上高1億ユーロにつき0.5権程度の投票数となっているようです。Nokiaの売上高はグループ連結決済では400億ユーロ程度だったと思うので、200権程度の投票権を持っているものと思います。Apple側がこれの約半数に迫っており、他企業への根回しが行われているとどう転ぶかわかりませんね。

(via engadget, CNET)

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