標準電波を擬似発生させて電波時計を合わせる方法

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電波時計はかってに時刻補正をしてくれる便利な代物です。その補正に使われている標準電波は日本国内では2ヵ所から送信されています。主に西日本を管轄する佐賀県のはがね山標準電波送信所と、東日本を管轄する福島県のおおたかどや山標準電波送信所です。このうちおおたかどや山の送信所は震災により送信を停止していたのですが4月21日に暫定的に送信を開始しました。しかしながら、4月25日に落雷によって再び停止、復旧の目処は立っていないとのことです。この送信所は福島第一原発から20km圏内の避難地域内にあるため、復旧作業をしたくてもできないという状況のようです。

そんなわけで、今現在、主に東日本では電波時計の自動補正は働きにくくなっているのですが、パソコンを使って標準電波(JJY)を送信してしまう、電波時計用JJYシミュレータというフリーソフトを教えて頂きました。

ソフト自体はとてもシンプルなのですが、安物アンプを使ってわざと出力を飽和させ、オーディオラインから3次高調波成分を取り出すというその発想がすばらしいです。音の波形を見たとき、本来はできるだけ歪まないように調整するものですが、この場合は逆に歪ませてそれを利用しようというものです。詳細はリンク先に記載されていますが、本当に目からウロコ状態です。

そして、調べてみると、iPhone、Android用にも同じ動作をするアプリがありました。Android用はJJY エミュ、iPhone用はそのものずばりなJJY Simulatorです。どちらもJJYシミュレータを元にしてそれぞれのプラットフォームに移植したものですね。JJY エミュはアプリの説明に参考にした旨が記載されています。JJY Simulatorは特に触れられてはいないので、参考にしたのかまったく独自に考え付いたのかは分かりませんが、サポートサイトにアンテナの作成例ということでリンクが張られていました。

そんなわけで、手元にアンプ付きのスピーカがなかったので、とりあえずiPhone用のJJY SimulatorでG-Shock(MT-G)の時刻合わせを行ってみました。

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ちゃんと電波を受信しているのがわかります。G-Shockの時刻合わせは5分程度の時間がかかりましたが、レビューやネットで調べてみた限りでは置時計タイプのものはすぐに補正されるようです(同様にG-Shockは時間が掛かるようです)。なお、Windows用のJJYシミュレータでもアンテナを使わずに同様の方法で補正が出来るはずですが、VAIO ZとG-Shockの組み合わせでは補正が出来ませんでした(出力不足?)。

もっというと、家は東京なのですが、はがね山の電波を受信しているらしく何もしなくても時刻合わせが行われていました。このため、今回の試験は40kHz(おおたかどや山の出力周波数。はがね山は60kHz)しか受信しないように設定して行っています。目的を見失っている気がしなくもないですが、そこは気にしないことにします。

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